未経験者が経理職への転職を希望!その選択は「あり」です!

この記事を書いた人:ヤジ キタオ(元採用担当者/経理スペシャリスト)

経理マンとして46年間務め、税理士事務所から製造業メーカーまで複数回の転職を経験。さらに、職場では20代から50代の多様な人材を同僚・部下として受け入れ、指導・育成した経験を持ち、「転職する側」と「現場で人材を受け入れ育成する側」双方の視点を知る専門家です。
「今の仕事、本当にこのままで良いのかな…」とモヤモヤを抱えながら、経理への転職を考えている20代のあなたは、こんな不安を抱えていませんか?「未経験だけど、本当に経理職に転職できる?」「簿記2級は活きる?でも実務経験がないと厳しいって聞くけど…」「採用担当者は、資格しかない私をどう見ているのだろう?」
結論から言えば、簿記2級は未経験者が経理の安定したキャリアを掴むための「最強の武器」です。簿記の学習を通じて得た知識は、企業の財務の仕組みを理解するために欠かせません。だからこそ、採用担当者からの評価が非常に高いのです。
この記事では、元採用担当者として46年間経理一筋でキャリアを歩んできた私が、未経験者が簿記を最大限に活用し、経理転職を成功させるための具体的な5つの成功ルールを徹底解説します。
このブログでわかること(疑問・解決リスト)

- 未経験から経理職への転職は本当に可能なのか?
- 簿記2級が経理転職において、どれほど強力な武器になるのか?
- 【20代必見】 経理職のリアルなワークライフバランスとやりがいは?
- 【信頼性担保】 20代、30代の年代別で、最適な転職先と公的な統計に基づいた年収の目安はいくらか?
- 「簿記2級だけでは厳しい」という現実的な厳しさとその対策を知る。
簿記2級が経理転職を「劇的に有利」にする理由

1. 未経験者の経理転職成功は、知識と意欲の証明が鍵
未経験から経理職を目指すことは、年齢に関わらず十分に可能です。なぜなら、経理は企業の根幹を支える業務であり、安定した需要があるからです。その中で簿記2級は、あなたが経理職として働くための「最低限の知識」と「自己学習能力」を備えていることを示す、最も信頼性の高い証明となります。
2. 採用担当者が簿記2級を高く評価する根拠
私が採用担当として書類選考や面接を行う際、簿記2級は常に重要な判断材料でした。それは、簿記2級が財務諸表の作成や、企業のお金の流れを読み解く原価計算の基礎までカバーしているためです。この知識があれば、入社後に日次業務の流れを素早く理解できると判断でき、「即戦力のポテンシャル」として評価されます。
3. 転職の現実:「簿記2級だけでは厳しい」と言われる理由と対策
残念ながら、日本商工会議所のデータを見てもわかるとおり、簿記2級の保有者は非常に多く、資格だけで正社員の椅子を勝ち取るのは年々難しくなっています。特に企業は「即戦力」を求めており、資格があっても実務経験がなければ、書類選考で弾かれるケースがあるのも事実です。
3-1.【現実的な解決策:実務経験の不足を補う戦略】
- クラウド会計ソフトを習得する: 企業は、簿記の知識を実際の会計ソフトで使えるかを重視しています。(IT専門調査会社のレポートでも普及が報告されている) freeeやMFクラウドなどの操作方法を独学で習得し、履歴書に明記しましょう。
- 短期の経理補助経験を積む: 短期の派遣社員やアルバイトとして経理補助業務を経験することも、強力な実務経験の代わりとなります。
資格+αの実務スキルと熱意を示すことで、「簿記2級だけでは厳しい」という壁を確実に乗り越えられます。
20代の不安解消!経理職のワークライフバランスとやりがい

1. 経理職の残業・ワークライフバランスのリアル
経理の仕事は、月初の請求書処理や月末の支払い業務、そして決算期(特に年次決算)に業務が集中する傾向があります。
- 平常時: 残業が少ない企業が多く、定時退社しやすい傾向にあります。
- 決算期: 一時的に残業が増えますが、最近では働き方改革の推進(詳しくは厚生労働省の公式サイトをご覧ください。)により、企業全体で過度な残業を避ける傾向が強まっています。
20代のあなたが転職先を選ぶ際は、面接やエージェントを通じて「月平均の残業時間」や「決算期以外の働き方」を具体的に確認することが、QOL(生活の質)を確保する鍵です。
2. ルーティンに見えて奥深い!経理の本当の面白さ
経理の仕事はルーティンワークに見えますが、それは企業の活動を「お金」という共通言語で記録しているからです。簿記2級の知識があれば、単なる入力作業ではなく、「この仕訳が、会社の利益にどう繋がっているか」というビジネス全体を理解する視点が持てます。
入社後の日次業務を正確にこなすことで、月次決算→年次決算→予算管理へとステップアップできます。企業の意思決定を担う経営企画や財務部門へのキャリアパスが開けることが、経理の最大の魅力であり、20代の成長を大きく後押しします。
年代別で描く!簿記2級を活かせる転職先と年収の現実

1. 【定量的な見通し】経理未経験者の年収目安と成長の特徴

経理職は、経験を積むことでスキルや専門性が高まり、それが年収に反映されやすい職種です。そのため、経験年数が上がるにつれて、平均年収は同世代の平均収入より上昇する傾向にあります。
| 経験年数 | 平均年収 | スキル | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 0年(新卒・未経験) | 300万円〜340万円 | 簿記の基本や日々の伝票処理、入出金管理といった基本的な業務を習得する段階 | 企業や地域によって幅がありますが、一般的に20代前半の平均年収や初任給に近い水準からスタートします。 |
| 3年(経験者) | 340万円〜400万円 | 月次・年次決算補助や税務処理の基礎など、より専門的な業務を担当し始める段階 | 20代後半の平均年収に近づき、経験やスキル、取得した資格などによって、20代前半の平均を上回る水準になることが一般的です。 |

これは、公開されている20代経理職の全体平均年収データを基に、弊ブログが設定した推定値(目安)です。

又、ここで示した平均年収は、企業の規模、業界、所在地、個人の能力や取得している資格(例:日商簿記2級以上)によって大きく変動することに注意が必要です。
【出典】アビタス USCPA 、 ジャスネットキャリア、 ヒュープロ
2. 20代・30代・40代のための年代別「経理転職」ロードマップ
簿記2級は全年代で有効ですが、企業が求めるアピールポイントと最適な転職先は年代によって異なります。
| 年代 | 最適な転職先 | 企業が求めるアピールポイント |
| 20代 | ベンチャー企業、上場企業の子会社 | 簿記2級の知識と「圧倒的な成長意欲」、ITリテラシー、柔軟な対応力。 |
| 30代 | 中堅・中小企業(幅広い業務)、専門性の高い企業 | 簿記2級と、前職でのマネジメント、数値管理、調整力といった汎用スキル。 |
| 40代 | 会計事務所、経理部門の補佐的ポジション | 簿記2級と、長年の社会人経験で培った人柄、責任感、問題解決能力。 |
入社後に担当する!未経験者が最初に任される経理業務の実態
1. 未経験者が最初に担当するのは「日次業務」の処理と補助
経理職として入社後、未経験者が最初に担当するのは、企業の毎日の活動を記録する「日次業務」や、その補助業務です。
2. 【具体例】簿記2級の知識が活きる初期業務リスト
| 業務内容 | 簿記2級の活かし方(活きる知識) |
| 仕訳入力・記帳代行 | 借方/貸方のルールや勘定科目の知識が直結し、業務の習得速度が格段に速くなります。 |
| 経費精算 | 勘定科目(旅費交通費、消耗品費など)の判断や、経費処理の根拠を理解して正確に処理できます。 |
| 請求書処理・支払い業務 | 未払金・買掛金の処理の流れが簿記の知識でスムーズに理解できます。 |
実務が不安という悩みは、簿記2級の知識で大半を解消できます。日々の業務は、簿記のテキストで学んだ基本原則の応用だからです。
失敗を避ける!転職活動における応募書類の正しい作成手順

1. 履歴書・職務経歴書は「正確さ」と「正式名称」が命
経理職では、正確性が最も求められます。そのため、応募書類は一つ一つの記載にミスがないか、正式名称が使われているかを徹底的に確認する必要があります。
2. 【手順】簿記2級を正しく記載するためのステップ
- ステップ1:正式名称を記載する
- 資格欄には略称(日商簿記2級)ではなく、「日本商工会議所簿記検定試験 2級 合格」と正式名称で記載します。
- ステップ2:取得年月日を正確に記載する
- 合格証明書に記載されている合格年月日を正確に記載し、正確性をアピールします。
- ステップ3:自己PR欄で知識の活用意欲を示す
- 単なる合格歴ではなく、「簿記2級で培った財務諸表の読解力を活かし、入社後は管理会計の分野にも貢献したい」など、具体的な活用意欲を伝えましょう。
【ここで重要】
応募書類の「丁寧さ」「正確さ」は、そのままあなたの経理職としての適性を測る尺度となります。妥協のない書類作成は、未経験からの転職を成功させるための最初の、そして最も重要なステップです。
あなたの魅力を最大限に表現できる、戦略的履歴書の書き方については、以下で学んでください。
面接突破とエージェント活用!成功へ導く実践的な行動戦略

1. 面接では「将来性」、エージェントは「専門性」を重視すべき
経理転職を成功させるには、戦略的な面接対策と、優秀なパートナー(転職エージェント)の存在が不可欠です。
2. 【面接対策】採用担当者が納得する志望動機の伝え方
面接では、過去の経験よりも「入社後の学習意欲と将来性」を具体的に示すことが重要です。特に20代の方は、志望動機の作り込みが内定を左右します。
(元採用担当者の体験談)
私が過去に内定を出した未経験者の方々は、単に「簿記を活かしたい」ではなく、「御社のIR情報(決算書)を読み、〇〇という課題があると感じた。簿記の知識でまず正確な月次決算を支え、その課題解決に貢献したい」と具体的に語っていました。この「企業への踏み込み」こそが、熱意と将来性を示す証拠です。
特に20代の方は、志望動機の作り込みが内定を左右します。以下の記事で、心に響く志望動機の書き方を学んでください。
3. 【エージェント活用】経理特化型を選ぶべき理由
経理転職を成功させる最速のルートは、経理・会計に特化した転職エージェントを利用することです。専門特化型のエージェントは、非公開求人や未経験者向け求人を豊富に持っており、あなたの簿記2級の知識を最大限に活かせる企業を的確に紹介してくれます。
【ここで重要】
簿記2級の知識はインプットです。その知識を転職活動というアウトプットで成功させるには、面接やエージェント活用といった行動の「質」が不可欠です。
失敗しない転職エージェント選び、活用方法については、以下の記事を参考にしてください。
まとめ:簿記を活かして安定と成長のキャリアを手に入れよう

経理転職は、未経験者にとって大きなキャリアチェンジのチャンスです。簿記2級は強力な武器ですが、それだけに頼るのではなく、年代別の戦略、公的な根拠に基づく年収の現実的な見通し、そして「簿記2級だけでは厳しい」という現実に対する具体的な解決策を実行することが重要です。

あなたの未来は、簿記を学んだ今、すでに変わり始めています。自信を持って、一歩踏み出しましょう!私(ヤジ キタオ)は応援しています。
Q&Aコーナー:経理転職に関するユーザーの疑問を包括的に解消
Q1. 経理未経験者が転職エージェントを選ぶ際の注意点は?
A. 結論: 経理・会計に特化した転職エージェントを選んでください。専門特化型のエージェントは、未経験者向けの求人を豊富に持っており、履歴書の添削や面接対策(特に簿記2級の活かし方)について、より専門的で具体的なアドバイスを提供してくれます。
Q2. 経理職の年収は、一般的に他の事務職より高いですか?
A. 結論: 専門性が高いため、一般的に他の事務職よりも高い傾向にあります。特に簿記2級を保有し、月次決算や年次決算といった専門性の高い業務を担当できるようになると、市場価値が上がり、年収も大きくアップします。
Q3. 転職先の企業規模(大手・中小)で、簿記2級の活かし方は変わりますか?
A. 結論: 活かし方が異なります。
- 大手企業:経理業務が分業されているため、簿記2級の知識を特定の専門分野で深く活かすことができます(例:連結決算補助、原価計算)。
- 中小企業:経理業務を一手に担うことが多く、簿記2級の幅広い知識と、柔軟性が求められます。
ご自身のキャリアパスに合わせて、最適な企業規模を選びましょう。



