受かる経理履歴書の秘訣、教えます


経理への転職を考えている皆さん、履歴書の作成に不安はありませんか?数字を扱う専門職である経理では、履歴書にも独自のポイントが求められます。
この記事では、あなたの経験やスキルを最大限にアピールし、採用担当者の目に留まる履歴書の書き方を徹底解説します。もう履歴書で悩む必要はありません。
経理履歴書、採用担当者の視点を知る

履歴書は、あなたのこれまでのキャリアやスキル、そして何よりも「あなたという人物」を採用担当者に伝えるための、最初で最も重要なステップです。特に経理職では、数字に強く、正確性や責任感が求められるため、履歴書の書き方一つで与える印象は大きく変わります。
1. 採用担当者が重視する「正確性」と「再現性」
経理職の採用で最も重視されるのは、「正確性」と「再現性」です。
経理業務は会社の財産を扱うため、わずかなミスも許されません。履歴書に誤字脱字がないか、記載情報に矛盾がないかなど、細部にわたる正確性が徹底的にチェックされます。これは、あなたの業務に対する丁寧さや注意力、責任感を推し量る重要な指標です。例えば、履歴書の日付が間違っていたり、職務経歴書と記載内容が異なっていたりすると、「この人は経理の仕事でもミスをするのではないか」という懸念を抱かれてしまいます。
さらに、採用担当者はあなたのこれまでの経験が、自社の経理業務でどのように活かせるか、つまり「再現性」を非常に重視しています。単に「経理業務に従事していました」と書くのではなく、具体的にどのような業務を、どのような立場で、どのような成果を出してきたのかを明確にすることが求められます。例えば、「月次決算業務を担当し、仕訳入力から試算表作成までを一貫して行いました」と具体的に記述することで、採用担当者はあなたが実際にその業務を遂行できるイメージを持つことができます。さらに、「〇〇の業務改善により、月次決算の早期化に貢献しました」といった具体的な成果を付記することで、あなたの実務能力と貢献意欲をアピールできます。
経理部門は社内の様々な部署と連携するため、コミュニケーション能力も重要な要素です。履歴書では直接的にアピールする場は少ないですが、丁寧な言葉遣いや分かりやすい文章構成は、あなたのコミュニケーションスキルを間接的に伝える手段となります。
2. 「会ってみたい」と思わせる履歴書とは
採用担当者に「会ってみたい」と思わせるには、あなたがその会社にとって「価値のある人材」であることを明確に伝えることが重要です。単に経歴を羅列するのではなく、あなたのスキルや経験が、応募先の企業でどのように貢献できるのかを具体的に示しましょう。企業が抱えるであろう課題に対して、あなたが解決策を提供できることを示唆すると効果的です。

具体的には、応募先の企業研究を徹底し、その企業の事業内容や企業文化、経理部門に求められる役割を深く理解することが不可欠です。企業のIR情報や採用サイト、ニュースリリースなどを読み込み、どのような人材を求めているのか、どのような課題に直面しているのかを推測します。その上で、あなたの経験やスキルが、どのように企業のニーズと合致するのかを具体的に記述してください。
例えば、ExcelのVBAを使って業務効率化を図った経験があるなら、その企業が手作業の多い業務を抱えていると仮定し、「貴社における経理業務の効率化に貢献できると考えております」といった具体的な記述をすることで、採用担当者の興味を引くことができます。
また、あなたの「人柄」や「仕事への熱意」を伝えることも、「会ってみたい」と思わせる上で重要です。自己PRや志望動機の欄では、単なるスキルや経験だけでなく、あなたが仕事に対してどのような姿勢で臨んでいるのか、どのような目標を持っているのかを具体的に記述することで、あなたの人間的な魅力を伝えることができます。例えば、「常に新しい会計基準や税制改正について学び、自身の知識をアップデートする努力を怠りません」といった記述は、あなたの学習意欲と向上心を示す良い例となります。
履歴書の各項目別!経理に特化した書き方
ここからは、履歴書の各項目について、経理職に特化した効果的な書き方を具体的に解説していきます。採用担当者が「会ってみたい」と思うような履歴書を作成するためには、それぞれの項目で何をどのようにアピールすべきかを理解することが非常に重要です。
1. 基本情報:経理職にふさわしい写真と連絡先
履歴書の基本情報は、あなたの第一印象を大きく左右します。特に写真は重要です。経理職にふさわしい写真は、清潔感、真面目さ、プロフェッショナリズムを伝えるものです。男女問わず、スーツを着用し、清潔感のある髪型で、顔全体がはっきりと見えるように撮影しましょう。表情は、口角を少し上げ、自然な笑顔を意識すると、親しみやすさと真面目さの両方を演出できます。背景は無地で明るい色を選び、できれば写真スタジオでプロに撮影してもらうのが理想的です。
連絡先についても、細心の注意が必要です。特にメールアドレスは、採用担当者からの連絡手段として非常に重要となるため、ビジネスシーンにふさわしいものを使用するのが鉄則です。友人とのやり取りで使っているようなプライベート感の強いアドレスや、奇抜な文字列のアドレスは避け、氏名やイニシャルを組み合わせたシンプルなものが望ましいでしょう。例としては、「your.name@example.com」のような形です。フリーメールアドレスを使用する場合でも、GmailやYahoo!メールなど、信頼性の高いサービスを選びましょう。また、迷惑メール設定で採用担当者からのメールが届かない、という事態を避けるため、事前に設定を確認し、必要であればドメイン指定受信設定などを行うことをお勧めします。電話番号も、日中連絡がつきやすい携帯電話の番号を記載し、留守番電話設定を忘れずにしておきましょう。
2. 学歴・職歴:経理キャリアを際立たせる記載方法
学歴・職歴は、あなたのこれまでのキャリアパスを示す重要な項目であり、経理職の経験がある場合は、その経験がいかに応募先企業で活かせるかを明確にアピールする必要があります。まず学歴については、原則として義務教育終了以降を記載します。学校名、学部・学科名、卒業年月を正確に記入し、もし経理や会計に関する専門的な履修科目や卒業論文のテーマがあれば、簡潔に記載することで、経理に対する関心や専門性をアピールできます。
次に職歴ですが、これは経理職としてのあなたの実績とスキルを示す最も重要な部分です。単に在籍期間と会社名を羅列するだけではなく、「どのような会社で、どのような経理業務に、どのような立場で関わり、どのような成果を出したのか」を具体的に記述することが求められます。これまでの職歴を古い順に記載し、会社名、部署名、役職、入社年月、退職年月(在職中の場合は「現在に至る」)を明記します。その上で、各職務内容を箇条書きで具体的に記述し、特に経理業務に関するものは詳細に記述しましょう。例えば、「月次・年次決算業務」「伝票仕訳・入力」「売掛金・買掛金管理」「経費精算」「予算策定支援」「税務申告業務」など、担当した業務内容を網羅的に記載することで、あなたの業務範囲の広さをアピールできます。さらに、ただ業務内容を記載するだけでなく、その業務を通じて得られた実績や貢献を具体的な数字を交えて記述することで、あなたの能力の高さと再現性を示すことができます。例えば、「月次決算業務のリードタイムを平均5日から3日に短縮」、「ExcelVBAを用いた集計作業の自動化により、年間〇〇時間の業務効率化を実現」といった具体的な表現は、採用担当者に強いインパクトを与えます。
2-1. 職歴欄でアピールすべき経理業務内容
職歴欄でアピールすべき経理業務内容は、応募する企業の規模や業種、そして求められる経理のレベルによって異なりますが、一般的に以下の項目を具体的に記述することで、あなたの経理としての専門性と実績を示すことができます。
まず、最も基本的な業務として「仕訳・伝票入力」が挙げられます。これは経理の土台となる業務であり、正確性が求められることをアピールするためにも、「日々の仕訳・伝票入力から試算表作成までを担当」といった形で記述し、経理処理の基礎が身についていることを示しましょう。次に、「月次・年次決算業務」は、経理職の核となる業務です。これらを担当した経験があれば、「月次決算業務を一貫して担当し、財務諸表作成に貢献」「年次決算業務において、監査法人対応や開示資料作成を経験」など、具体的な業務範囲や役割を明確に記載してください。特に、決算業務のスピードアップや精度向上に貢献した経験があれば、その内容を具体的に記述することで、あなたの実務能力と改善意識をアピールできます。
さらに、「売掛金・買掛金管理」や「債権・債務管理」も重要な業務です。これらに携わった経験があれば、「売掛金の滞留状況を分析し、回収率向上に貢献」「買掛金の支払いを適正に管理し、資金繰りの安定化に寄与」といった形で、単なる処理業務だけでなく、管理業務としての側面もアピールすると良いでしょう。また、「固定資産管理」「減価償却費計算」「棚卸資産評価」など、具体的な資産管理に関する業務経験も、専門性を高める要素となります。もし、「原価計算」や「予算策定・実績管理」といった管理会計に関わる業務経験があれば、それは大きな強みとなります。「製品ごとの原価計算を行い、収益改善に貢献」「部門別予算策定に参画し、予実管理を推進」など、経営への貢献度を意識した記述を心がけましょう。
その他、「税務申告業務(法人税、消費税など)」、「監査法人対応」、「内部統制構築・運用」、「ERP導入・運用支援」といった専門性の高い業務経験も、積極的にアピールすべき点です。記載する際には、それぞれの業務において「どのようなシステムを使用したか(例:SAP, Oracle ERP, 勘定奉行など)」や「どのような成果を上げたか」を具体的に加えることで、より説得力のある職歴になります。
2-2. 転職回数が多い場合の対処法
転職回数が多い場合、採用担当者から「すぐに辞めてしまうのではないか」といった懸念を抱かれる可能性があります。しかし、転職回数が多いこと自体が悪いわけではありません。重要なのは、なぜその転職に至ったのか、そしてその経験をどのように前向きに捉え、次へと繋げようとしているのかを明確に伝えることです。
まず、職歴欄の記載は、通常の履歴書と同様に、すべての職歴を正直に、古い順に記載します。決して隠したり、期間を偽ったりしてはいけません。その上で、各転職の理由をポジティブな言葉で表現することを意識しましょう。例えば、「キャリアアップのため」「新しい分野に挑戦するため」といった形で、自身の成長や目標達成のための前向きな選択であったことを強調します。
次に、それぞれの職場での経験から何を学び、どのようなスキルを習得したのかを具体的に記述することが重要です。たとえ短期間の在籍であっても、そこで得た知識や経験、実績を積極的にアピールしてください。
さらに、自己PRや志望動機で、あなたの「定着性」と「貢献意欲」を強くアピールすることも大切です。これまでの転職経験を通じて、あなたがどのようなキャリアビジョンを描いているのか、そして応募先の企業でどのように長期的に貢献していきたいのかを具体的に述べましょう。重要なのは、転職回数が多いことに対する言い訳ではなく、その経験が現在のあなたを形成し、応募先の企業にとって価値のある人材であることを論理的かつポジティブに伝えることです。
3. 資格・免許:経理で評価される資格と効果的なアピール
経理職において、資格・免許はあなたの専門知識やスキルを客観的に証明する強力なツールです。特に、経理・会計系の資格は採用担当者が注目するポイントの一つであり、取得している資格の種類やレベルによって、あなたの実務能力を具体的にアピールすることができます。資格の記載は、取得年月と正式名称を正確に記入することが大前提です。
3-1. 簿記・会計系資格の書き方とレベル別アピール

経理職の資格として最も代表的で評価が高いのは、やはり日商簿記検定でしょう。その級によってアピールできるレベルが大きく異なります。
まず、日商簿記2級以上を取得している場合、これは企業会計の基本的な知識に加え、連結会計や税効果会計といった応用的な知識も持ち合わせている証拠となります。特に中小企業やベンチャー企業であれば、2級取得者は即戦力として期待されることが多いです。履歴書には「日商簿記検定2級 取得」と明記し、自己PRや職務経歴書の中で、その知識を実務でどのように活かしたかを具体的に記述すると良いでしょう。
日商簿記1級を取得している場合は、税理士や公認会計士の受験資格にもなるほどの高度な知識と理解力を持っていることを示します。大企業や上場企業、あるいは専門的な会計処理が求められる企業で特に高く評価されます。「日商簿記検定1級 取得」と記載するだけでなく、「財務会計、管理会計に関する深い知識を有しており、貴社の経営戦略に貢献できると考えております」といった、自身の専門性と貢献意欲をアピールする言葉を添えることで、採用担当者に強い印象を与えられます。
もし、税理士試験科目合格や公認会計士試験合格など、さらに上位の会計系資格をお持ちであれば、それは経理としてのプロフェッショナリズムを強力にアピールできます。履歴書には取得科目を具体的に記載し、自己PRでは、その知識を活かしてどのような業務に貢献したいかを具体的に述べると良いでしょう。
重要なのは、単に資格名を羅列するだけでなく、その資格によって得られた知識やスキルが、応募先の企業でどのように役立つのかを具体的にイメージさせることです。
採用を勝ち取るにあたっての、簿記資格の重要性については、次の記事を参考にして下さい。
3-2. その他のPCスキルやビジネス系資格

経理職において、簿記・会計系の資格以外にも、あなたの市場価値を高める様々なPCスキルやビジネス系資格があります。特に、現代の経理業務はIT化が進んでいるため、PCスキルは必須と言えるでしょう。
まず、最も基本となるのがMicrosoft Office製品のスキルです。中でもExcelは経理職の「武器」と言っても過言ではありません。単に「Excelが使える」と書くのではなく、「関数(VLOOKUP, SUMIF, COUNTIFなど)を用いたデータ集計」「ピボットテーブルによるデータ分析」「マクロ(VBA)による業務自動化」といった、より具体的なスキルレベルをアピールしましょう。

私の転職経験から言っても、EXCELは大きな武器になります。私の場合、たまたま、VBAが少し理解できたので、中年からの難しい転職に成功することが出来ました。
次に、ERP(統合基幹業務システム)や会計ソフトの操作経験は大きな強みとなります。SAP、Oracle ERP、勘定奉行、弥生会計など、特定のシステム操作経験があれば、入社後の立ち上がりが早いと判断され、即戦力として期待されます。「SAP(FIモジュール)の操作経験があり、伝票入力から月次決算処理まで対応可能です」といった形で、具体的に経験のあるシステム名と操作レベルを記載しましょう。
その他、ビジネス系の資格として、TOEICなどの英語力も評価される場合があります。特に外資系企業や海外事業を展開している企業では、高い英語力が求められることがあります。「TOEIC 700点 取得」と記載し、ビジネスレベルの会話や文書作成が可能であれば、その旨を追記することで、国際的な業務に対応できる人材であることをアピールできます。また、MOS(Microsoft Office Specialist)などのPCスキルを証明する資格も、取得していれば記載しておくと良いでしょう。
これらの資格やスキルは、あなたが単に指示された業務をこなすだけでなく、自ら業務を効率化したり、より高度な業務に対応したりできる能力を持っていることを採用担当者に伝えるものです。
4. 志望動機:なぜその会社で経理をしたいのかを明確に
志望動機は、履歴書の中でもあなたの熱意と企業への理解度を最も強くアピールできる重要な項目です。単に「経理の仕事がしたいから」という漠然とした理由ではなく、「なぜその会社で経理をしたいのか」「なぜ他の会社ではだめなのか」を明確に、そして具体的に述べることが求められます。採用担当者は、志望動機を通じて、あなたが企業文化にフィットするか、長期的に貢献してくれるかを見極めようとしています。
4-1. 会社の求める人材像と自身の強みのマッチング
志望動機を作成する上で最も重要なのは、応募先の企業が求める人材像を深く理解し、あなたの強みや経験がその人材像とどのように合致するかを具体的に示すことです。そのためには、徹底した企業研究が不可欠です。企業のホームページ、IR情報、ニュースリリース、採用情報などを入念に読み込み、どのような事業を展開しているのか、どのような企業文化なのか、経理部門にはどのような役割が求められているのかを把握しましょう。
例えば、もし企業が「変革を恐れず、積極的に業務改善に取り組む人材」を求めているとします。その場合、あなたの強みが「既存業務の効率化提案と実行」であれば、その経験を具体的に記述し、「貴社の〇〇という企業文化に強く共感しており、私の持つ業務改善の経験が、貴社の経理部門のさらなる発展に貢献できると確信しております」といった形で、自身の強みと企業のニーズがマッチしていることを明確にアピールしましょう。
また、企業の事業内容と経理の役割を結びつけることも効果的です。例えば、IT企業であれば「変化の速いIT業界において、スピーディーかつ正確な経理処理を通じて、事業成長を側面から支えたい」、製造業であれば「製品原価計算の精度向上を通じて、貴社の収益性改善に貢献したい」といったように、その企業の特性に合わせた具体的な貢献意欲を示すことで、あなたの企業への理解度と熱意をアピールできます。
4-2. 具体的なエピソードを交えた説得力ある志望動機
志望動機に説得力を持たせるためには、抽象的な表現を避け、具体的なエピソードを交えることが非常に重要です。あなたの経験や考え方が、応募先の企業でどのように活かされるのかを、具体的な行動や成果に基づいて示すことで、採用担当者はあなたの言葉にリアリティを感じ、納得感を得ることができます。
例えば、「貴社のような成長企業で、私も共に成長したいと考えております」というだけでは、説得力に欠けます。これを具体的にするためには、まず「なぜその企業が成長企業だと感じたのか」というあなたの視点を明確にします。その上で、あなたのこれまでの経験と、応募先の企業で「どのように成長し、貢献したいのか」を具体的なエピソードで結びつけます。
また、なぜ経理という職種を選び、その中でどのような喜びや達成感を感じてきたのか、といったあなたの経理への熱意を示すエピソードも有効です。
重要なのは、「過去の経験」→「そこから得た学びやスキル」→「応募先企業への貢献」という一貫したストーリーを構築することです。あなたの言葉で、あなたの経理に対する情熱と、それが応募先の企業でどのように花開くのかを具体的に語ることで、採用担当者は「この人は本当に当社で働きたいのだな」「当社の未来に貢献してくれるだろう」と感じ、「ぜひ会って話を聞いてみたい」という気持ちになるでしょう。</p{P}
5. 自己PR:経理としての強みを具体的にアピール
自己PRは、あなたの経理としての強みやスキル、そして人間性を存分にアピールできる重要な項目です。ここでは、単なる羅列ではなく、具体的なエピソードや数字を用いて、あなたが応募先の企業でどのように貢献できるのかを明確に示すことが求められます。
1. 数字を用いた実績のアピール方法
経理職の自己PRにおいて、「数字」を用いた実績のアピールは最も効果的な方法の一つです。経理は数字を扱う専門職であるため、具体的な数値を提示することで、あなたの業務遂行能力や貢献度を客観的かつ説得力を持って伝えることができます。可能な限り具体的な数字を盛り込むことを意識しましょう。
自己PRの冒頭で、あなたの最もアピールしたい経理としての強みやスキルを端的に述べます。次に、その強みやスキルがどのように培われたのかを、具体的なエピソードを交えて説明します。この際に、「どのような課題があったか」「それに対してあなたが何を考え、どのように行動したか」「その結果、どのような成果が出たか」という流れで記述し、特に「結果」の部分で数字を最大限に活用します。
具体的な例としては、以下のような表現が挙げられます。
- 業務効率化: 「Excelのマクロ機能を導入し、月間約20時間の業務時間削減に成功」
- コスト削減: 「請求書処理の電子化で、年間約15万円のコスト削減に貢献」
- 決算早期化: 「月次決算の締めを平均5営業日から3営業日に短縮」
- 正確性の向上: 「入力規則の厳格化とチェック体制構築で、ヒューマンエラーを〇%削減」
これらのように、具体的な数字を用いることで、あなたの実績が採用担当者にとってイメージしやすくなり、あなたの貢献意欲と実務能力を強くアピールできます。
2. 課題解決能力や改善提案の具体例
経理職は、単にルーティンワークをこなすだけでなく、時に複雑な課題に直面し、それを解決する能力が求められます。また、現状維持に甘んじず、より効率的で精度の高い業務プロセスを追求する改善提案力も高く評価されるポイントです。自己PRでは、あなたのこうした課題解決能力や改善提案力を具体的なエピソードを交えてアピールすることで、採用担当者に「この人は自社に良い変化をもたらしてくれるだろう」という期待感を与えることができます。
まず、どのような状況で、どのような課題に直面したのかを明確に記述します。次に、その課題に対してあなたがどのように考え、どのような解決策を立案し、実行したのかを具体的に説明します。そして、その結果、どのような効果が得られたのかを具体的に示します。
これらのエピソードを通じて、あなたは「問題を発見する力」「論理的に課題を分析する力」「関係者を巻き込み、解決策を実行する力」「結果を出す力」といった、経理職に不可欠な能力を持ち合わせていることをアピールできます。
未経験から経理を目指す場合の履歴書作成術

「経理経験がないけれど、どうしても経理職に就きたい」と考えている方もいるでしょう。未経験から経理職を目指す場合、経験者と同じ土俵で勝負するのではなく、あなたのポテンシャルや熱意、そして経理職で活かせる汎用的なスキルを最大限にアピールすることが重要です。採用担当者は、未経験者に対しては、実務経験よりも「伸びしろ」や「適性」を重視します。
1. 未経験でもアピールできるポータブルスキル
直接的な経理実務経験がないため、これまでの職務で培ってきた「ポータブルスキル」を最大限にアピールすることが重要です。ポータブルスキルとは、職種や業界が変わっても持ち運び可能な汎用性の高いスキルのことで、経理業務においても大いに役立つものが多数あります。
具体的にアピールすべきポータブルスキルは以下の通りです。
- 正確性・丁寧さ: 前職で資料作成やデータ入力、チェック業務などで「ミスのない作業」を心がけていた経験を具体的に。
- 論理的思考力・分析力: 前職で課題解決に取り組んだ経験があれば、そのプロセスを具体的に説明し、論理的に解決策を導き出す力をアピール。
- PCスキル: 特にExcelスキルは必須です。前職でExcelをどれだけ使いこなしていたか、どのような業務で活用していたかを具体的に記述。
- コミュニケーション能力: 経理は他部署との連携も多いため、円滑なコミュニケーション能力が求められます。
- 学習意欲・向上心: 未経験からの挑戦であるため、新しい知識やスキルを積極的に吸収しようとする意欲は非常に重要です。
これらのポータブルスキルを自己PR欄で具体的に記述し、それぞれのエピソードを通じて、あなたが経理職に求められる資質を十分に持ち合わせていることを説得力を持って伝えましょう。
3-2. 簿記資格を最大限に活かす書き方
未経験から経理職を目指す上で、簿記資格はあなたの「経理への本気度」と「学習能力」を示す強力な武器となります。特に、日商簿記2級以上を取得している場合は、その資格を最大限に活かした書き方をすることで、採用の可能性を大きく高めることができます。
まず、履歴書の資格欄には取得年月と正式名称を正確に記載します。「日商簿記検定2級 取得」と明記することで、採用担当者はあなたが経理の基礎知識を習得していることを一目で理解できます。
次に、自己PRや志望動機の中で、簿記資格をどのように取得したのか、そしてその過程で何を学んだのかを具体的に記述しましょう。単に「簿記2級を取得しました」と述べるだけでなく、「経理職への強い関心から、独学で簿記の学習を開始し、〇ヶ月で2級を取得しました」といった形で、あなたの学習意欲と目標達成能力をアピールすると効果的です。
さらに重要なのは、簿記で学んだ知識が、実際の経理業務でどのように活かせるのか、あなた自身の言葉で具体的に説明することです。
3-3. 熱意とポテンシャルを伝える志望動機・自己PR
未経験から経理職を目指す場合、経験者との差別化を図る上で、「熱意」と「ポテンシャル」を伝える志望動機と自己PRは極めて重要です。採用担当者は、あなたのこれまでの経験だけでなく、「なぜ経理をやりたいのか」「入社後にどれだけ成長してくれるのか」という将来性を見ています。
まず、志望動機では、なぜ数ある職種の中から「経理職」を選んだのか、そして「なぜその会社で経理をしたいのか」を明確に、かつ具体的なエピソードを交えて語りましょう。単に「安定しているから」や「手に職をつけたいから」といった漠然とした理由ではなく、経理業務のどのような点に魅力を感じたのか、あなたのこれまでの経験や興味関心とどのように結びついているのかを具体的に示します。
次に、自己PRでは、直接的な経理経験がない分、あなたの「学習意欲」「適応能力」「課題解決能力」といったポテンシャルをアピールしましょう。
- 学習意欲: 簿記資格の取得はもちろん、会計関連書籍を読み込み、常に最新情報をキャッチアップしている努力を具体的に。
- 適応能力: これまでの異なる職種での経験を通じて、新しい環境や業務に積極的に適応し、短期間で成果を出してきたことをアピール。
- 成長意欲: 経理のプロフェッショナルとして成長したいという強い意欲と、長期的なキャリアビジョンを提示。
熱意とポテンシャルを伝えるためには、「具体的な行動」と「将来の貢献イメージ」をセットで語ることが重要です。
経理履歴書作成時の注意点とよくあるNG例

せっかく時間をかけて履歴書を作成しても、ちょっとしたミスや配慮不足で採用担当者の印象を悪くしてしまうことがあります。特に経理職は正確性や細部への注意力が求められるため、履歴書の不備はあなたのスキル不足と見なされかねません。
1. フォーマット選びと誤字脱字のチェック
履歴書のフォーマットは、あなたの経歴や強みを最も効果的にアピールできるものを選びましょう。PC作成が一般的ですが、企業によっては手書き推奨の場合も。
何よりも重要なのが誤字脱字のチェックです。経理職は数字を扱う仕事であり、わずかなミスも許されません。履歴書に誤字脱字があることは、「この人は細部への注意力が低いのではないか」「正確性に欠けるのではないか」という採用担当者の懸念に直結します。
チェックの際には、以下のポイントを参考にしてください。
- 作成直後だけでなく、時間を置いてから再確認する。
- 音読することで、不自然な言い回しや誤字脱字を発見しやすくなる。
- 印刷して確認すると、レイアウトの崩れなどもチェックできる。
- 可能であれば、第三者にチェックしてもらうのが最も効果的。
- 特に数字や日付の正確性は厳しく見られるため、一つ一つ丁寧に確認。
2. 他の職種との使い回しはNG!経理特化の重要性
履歴書作成において、最も避けるべきNG例の一つが、他の職種に応募する際に作成した履歴書を、経理職の応募にそのまま使い回すことです。これは、採用担当者に対して「この人は当社の経理職に本気ではない」「企業研究が不足している」という非常に悪い印象を与えてしまいます。経理職の採用担当者は、あなたの「経理としての適性」や「経理業務への熱意」を強く求めています。
経理職の履歴書では、以下の点を経理に特化して記述することが極めて重要です。
- 専門用語の活用: 経理業務で使われる専門用語を適切に使用し、経理実務への精通をアピール。
- 経理実績の強調: これまでに担当した経理業務の内容と、具体的な実績を記述。
- 志望動機の具体性: 「なぜ、この会社で、経理の仕事がしたいのか」を明確に示し、あなたの経験やスキルがどう貢献できるかを具体的に記述。
- 資格・スキルの選定: 簿記や会計系の資格はもちろん、Excelの関数やVBAなど、経理業務に直結するPCスキルを強調。
たとえあなたのこれまでの職務経験が経理と直接関係なくても、前職で培ったポータブルスキルを、「経理業務でどのように活かせるか」という視点で再構築してアピールすることが大切です。
3. 誇張表現は避ける!事実に基づいた記載の重要性
経理履歴書を作成する上で、最も厳守すべき原則の一つが、「事実に基づいた正確な記載」であり、「誇張表現を避けること」です。経理職は会社の財産を管理し、正確な財務情報を提供するという極めて責任の重い業務を担います。そのため、採用担当者は応募者の「誠実さ」や「信頼性」を非常に重視します。履歴書に事実と異なる内容や過度な誇張表現が含まれていると、その時点であなたの信頼性は失われ、採用に至る可能性は極めて低くなります。
たとえ些細なことでも、事実と異なる記述は避けるべきです。例えば、経験がないのに「経験あり」と書いたり、実績を過度に水増ししたり、スキルレベルを詐称したりすることはNGです。
採用担当者は、あなたの履歴書や職務経歴書に記載された内容を、面接での質問やリファレンスチェック(前職への照会)を通じて確認することがあります。もし、これらの段階で事実と異なる記述が発覚した場合、あなたの評価は一気に下がり、入社後のキャリアにも悪影響を及ぼしかねません。
大切なのは、あなたが持っている経験、スキル、実績を「正直に、そして最大限に効果的にアピールすること」です。たとえ経験が浅くても、その中で何を学び、どのように成長したのか、そして今後どのように貢献していきたいのかを誠実に伝える姿勢こそが、採用担当者の心を動かすのです。
その他、転職活動についての注意すべきNGについては、以下の記事を参考にしてください。
経理履歴書の効果的な提出方法と面接への繋げ方

履歴書が無事完成したら、次はその履歴書をいかに効果的に企業に提出し、面接へと繋げるかが重要になります。提出方法のマナーや、履歴書と職務経歴書の一貫性、そしてその内容を踏まえた面接準備は、あなたの採用プロセス全体を左右する大切なステップです。
1. 郵送・メールでの提出時のマナー
経理履歴書を企業に提出する際、その提出方法に応じたマナーを遵守することは、あなたの「ビジネスパーソンとしての常識」と「細部への配慮」を示す重要な機会となります。経理職は特に丁寧さや正確さが求められるため、提出時のマナーは採用担当者があなたを評価する一つの要素になります。
郵送で提出する場合:
- 送付状の同封: 履歴書だけでなく、必ず送付状を同封しましょう。
- 書類の順番: 送付状、履歴書、職務経歴書などの順に重ね、クリアファイルに入れてから封筒に入れましょう。
- 封筒の選び方と宛名: 履歴書を折らずに入れられるサイズの封筒(角形2号が一般的)を選び、宛名は正確に記載します。
- 切手と投函: 郵便料金が不足しないよう正確に切手を貼り、郵便局窓口から発送するとより確実です。
メールで提出する場合:
- 件名: 件名だけで内容が分かるように簡潔に記載します。例:「【氏名】応募書類送付(経理職)」など。
- 本文: 郵送時の送付状と同様に、簡単な挨拶、応募の意思、添付書類の内容などを記載します。
- 添付ファイル: 履歴書と職務経歴書は、PDF形式で添付するのが一般的です。ファイル名も分かりやすくしましょう。
- 誤送信の防止: 送信する前に、宛先、件名、本文、添付ファイルに間違いがないか、複数回確認してください。
いずれの提出方法においても、期限厳守は基本中の基本です。余裕を持って準備し、確実に提出することで、あなたの仕事に対する真摯な姿勢と責任感をアピールできます。
5-2. 履歴書と職務経歴書の一貫性
履歴書と職務経歴書は、転職活動における「車の両輪」のようなものです。履歴書があなたの基本情報や経歴の概要を伝える役割を果たすのに対し、職務経歴書はこれまでの具体的な業務内容、実績、スキル、そしてそれを裏付けるエピソードを詳細に記述する書類です。この二つの書類は、それぞれ異なる役割を持ちながらも、内容に一貫性を持たせることが極めて重要です。
もし、履歴書と職務経歴書の内容に矛盾があったり、記載されている情報が異なっていたりすると、採用担当者は正確性への疑問や信頼性の低下を抱く可能性があります。
一貫性を持たせるためには、以下の点に注意してください。
- 基本情報の統一: 氏名、生年月日、連絡先、学歴、職歴の年月日は、完全に一致させる。
- 職務内容と実績の整合性: 履歴書で簡潔に記載した業務内容や実績を、職務経歴書ではさらに詳細に深掘りする。
- アピールポイントの連携: 履歴書の自己PRで触れた強みやスキルを、職務経歴書の具体的な業務経験や実績で裏付ける。
- 一貫したトーンと表現: 全体を通して、応募先の企業が求める人物像や経理職の業務内容を意識したトーンで記述する。
5-3. 履歴書の内容を踏まえた面接対策
履歴書を提出し、書類選考を通過したら、いよいよ面接です。面接では、履歴書に記載された内容を基に質問が展開されることがほとんどです。そのため、履歴書の内容を深く理解し、それに基づいた面接対策を行うことが、成功への鍵となります。履歴書は、あなたの面接における「台本」であり、「戦略マップ」であると考えて準備を進めましょう。
面接に臨む前に、あなたが提出した履歴書と職務経歴書のコピーを必ず手元に用意し、隅々まで読み返してください。そして、以下の点を意識して自己分析と質問対策を行いましょう。
- 記載内容の深掘り: 履歴書の各項目、特に自己PRや志望動機、職務経歴で記述した内容について、「なぜそう書いたのか」「具体的なエピソードは何か」「そこから何を学んだのか」といった点を、自分で問いかけながら深掘りします。
- 弱みや課題への対応: 履歴書には記載しなかった「弱み」や「失敗経験」、あるいは転職回数が多いなどの「懸念されそうな点」についても、正直に、しかし前向きな姿勢で説明できるように準備します。
- 逆質問の準備: 面接の最後に聞かれる「何か質問はありますか?」に対して、企業への理解を深めたい意図が伝わる質問を準備しましょう。
- 企業研究の深化: 履歴書作成時よりもさらに深く、応募企業の事業内容、直近のニュース、経営理念などを研究します。そして、あなたの経理としてのスキルや経験が、その企業でどのように貢献できるのかを、面接の場で具体的に語れるようにしておきましょう。
面接は、履歴書では伝えきれなかったあなたの個性や熱意、コミュニケーション能力を直接アピールできる場です。履歴書という土台を最大限に活用し、自信を持って面接に臨むことで、あなたの経理職への転職を成功させることができるでしょう。
まとめ:経理履歴書で理想のキャリアを掴むために


今回の記事では、経理職の履歴書作成において押さえるべき基本から応用、そして未経験からの挑戦まで、多岐にわたるポイントを解説しました。
履歴書は、あなたが「どのような人物で、どのような経験を持ち、そして企業にどのような価値を提供できるのか」を伝えるための、最初で最も重要なツールです。
経理履歴書作成の最重要ポイント
- 採用担当者の視点(正確性、再現性、信頼性)を理解し、履歴書全体の印象に反映させる。
- 職務経歴では、具体的な経理業務と数字を含んだ成果を明確に記述する。
- 簿記をはじめとする会計系資格や、Excel VBAなどのPCスキルを最大限に活用し、実務でどう活かせるかを伝える。
- 志望動機と自己PRで、「なぜこの会社で経理をしたいのか」という熱意と貢献意欲を具体的に語る。
- 未経験者の場合は、前職で培ったポータブルスキル(正確性、論理的思考力など)を強調し、経理への強い学習意欲とポテンシャルを示す。
- 提出前の最終チェックを徹底し、誤字脱字、使い回し、誇張表現を避ける。
履歴書作成は時間と労力を要する作業ですが、あなたの経理キャリアを次のステップへと進めるための重要な投資です。このガイドが、あなたの理想の経理職への転職を成功させる一助となれば幸いです。

ぜひ、今回学んだポイントを活かし、あなたの強みが最大限に伝わる経理履歴書を作成してください。